実際は、26日目にベラクルスの州都XALAPA(ハラパ)にある、Cafecolというところを訪れた。それはDAY26に書いたNovo Caffé Tostadoresというコーヒー屋のJoseという、コーヒーに情熱を傾ける青年が「ぜひ行ってみて」とすすめてくれたからだ。
とはいえ、アポはない。その日のうちに、XALAPA(ハラパ)からベラクルスへ移動しなければならなかったので、私はすべての荷物を抱えて、とりあえず事務所を訪ねたのだった。
最初に対応してくれた女性は英語が話せないとのことで、インターンの女性に変わった。彼女はあとでわかったのだが、フランス人で、コーヒーの産地のことを知りたくって、この事務所で期間限定で働いているという。彼女たちの計らいで、訪問時に不在だった理事長と電話で話せることになった。
私は突然の訪問を詫び、この地域のコーヒーのことと、Cafecolの役割について聞きたい伝えると、
「1時間で向かうから」
と言って電話は切れた。
私はその間、事務所で待たせてもらうことにしたのだが、遠くから匂ってくる焙煎香が気になって、自然と近づいていた。
「22日からプエブラで始まるラテンアメリカのコーヒーEXPOに出展しますか?」
と聞くと、そうだと言う。そしてその準備だそうだ。
落ち着きなくあたりを見渡している私は、ある生豆サンプルの袋に書いてある「Adan」という文字に思うところがあって尋ねてみた。
「この“Adan”というのは、もしかしてEl Estriboのアダンさんのコーヒーですか?」
と聞くと、あっさり
「Si(YES)」
とのこと。Zongolica(ソンゴリカ)のEl Estriboと言えば、2014年のメキシコのカップオブエクセレンスで、91.59点で1位に輝いたコーヒー豆で、それも、日本の生豆専門商社が3年連続で買い続けている豆だ。
「これも焙煎していますか?」
「Si、試してみる?」
と言われて、今度はこちらが
「Siiiiiiiiiii!!!!!!!!」
と答える番。
贅沢なことに、El Estriboを含むベラクルスの3つの地域、4つのサンプルをカッピングすることになったのだ。
その頃には、ディレクターのヘルナンデスも合流していたのだが、挨拶もそこそこにカッピングが始まった。
今回試した選りすぐりの4つのサンプルには、いずれもスペシャルティコーヒーが定義する、「際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていく」という感覚がある。
だけど、多分、標高や雨量など、ある一定以上の条件を満たす、メキシコ国内の産地を、てくてく歩いてみれば、このくらいの豆はまだまだあると思う。市場とのアクセスを持っていないために、日の目を見ずに、苦汁をなめているかもしれない。
Cafecolが関わるまでは、今日試したコーヒーの生産者たちも、いわゆる仲買人に、「言われるがまま」の価格で売り渡し、苦汁をなめていた人たちだという。そこに、生産技術や知識を有し、データ分析を得意とするCafecolが入ることで、「品質の向上」へと導き、生産者は、自分たちが希望する価格で、直接取引することが叶ったのだ。だけど、多分、標高や雨量など、ある一定以上の条件を満たす、メキシコ国内の産地を、てくてく歩いてみれば、このくらいの豆はまだまだあると思う。市場とのアクセスを持っていないために、日の目を見ずに、苦汁をなめているかもしれない。
その後、ヘルナンデスと2時間くらい話し込んだのだが、あらゆる点で、彼の思想の中に、共通点を見つけることができた。彼は、非営利団体としてのCafecolの役割を次のように定義している。
1 生産者とともに品質向上を目指す
2 ダイレクトトレードを促す
3 品質だけではなく、価格の面でも情報をオープンにする
すべては、持続可能な生産のため。そして、彼は1のために、関わるすべての農家に、複数名によるカッピング評価を渡したという。なぜならば、生産者自身は、コーヒーを評価する術を知らない。長い間、品質の良し悪しではなく、量を求めてきたからだ。この点は、マヤビニックの課題とほぼ共通するため、見習うべき点が多い。データがすべてではないが、少しでも客観的に、自分たちのコーヒーがどんなふうに評価されているのかを、実感してもらうのは良いことだと思う。
その後も、彼は、ラップトップに詰まったあらゆる情報を開示してくれた。ベラクルスが、メキシコのスペシャルティコーヒーを牽引している背景に、彼らの存在があったのだ。
私は重い荷物とともに、夕日を背負いながら事務所を後にした。足取りだけは驚くほど軽い。
そしてその日は、ベラクルスまで出て一泊し、翌日(つまり本来のDAY27)に、彼らも出展するというラテンアメリカコーヒーEXPOが開催されるプエブラまでやって来たのだった。
2 ダイレクトトレードを促す
3 品質だけではなく、価格の面でも情報をオープンにする
すべては、持続可能な生産のため。そして、彼は1のために、関わるすべての農家に、複数名によるカッピング評価を渡したという。なぜならば、生産者自身は、コーヒーを評価する術を知らない。長い間、品質の良し悪しではなく、量を求めてきたからだ。この点は、マヤビニックの課題とほぼ共通するため、見習うべき点が多い。データがすべてではないが、少しでも客観的に、自分たちのコーヒーがどんなふうに評価されているのかを、実感してもらうのは良いことだと思う。
その後も、彼は、ラップトップに詰まったあらゆる情報を開示してくれた。ベラクルスが、メキシコのスペシャルティコーヒーを牽引している背景に、彼らの存在があったのだ。
私は重い荷物とともに、夕日を背負いながら事務所を後にした。足取りだけは驚くほど軽い。
そしてその日は、ベラクルスまで出て一泊し、翌日(つまり本来のDAY27)に、彼らも出展するというラテンアメリカコーヒーEXPOが開催されるプエブラまでやって来たのだった。