フェアトレードタウンって聞いたことがありますか?
2016年7月6日、神奈川県逗子市が、熊本市、名古屋市に次いで国内3番目のフェアトレードタウンに認定されました。
フェアトレードタウンを促進するムーブメントは2000年にイギリスで誕生し、現在、全世界の認定都市数は1829に上るようです(参照:オルタナ)
オルタナの記事によると、
認定のきっかけは、2011年の同市と市民の協働事業「逗子まちなかアカデミー」の一環で開催したフェアトレードのイベントとのこと。
(中略)2011年に始まった活動が大きく動いたのは、今年4月15日の同市のフェアトレードタウン宣言からだ。昨年より「世界とつながり、平和に貢献するまちづくり」を掲げる同市は、フェアトレードを通して世界に貢献することを発表した。
とのこと。上記からもわかるように、フェアトレードタウン運動には、行政の協力が欠かせません。現在、札幌市や、弊社のコーヒーを利用いただいている岐阜県垂井町(運動を牽引する「泉京・垂井」の記事はこちら)などがフェアトレードタウンを目指していると聞きます。私のふるさと、浜松市でもフェアトレードタウンを目指す市民の集いがおこなわれており、私も参加させていただいています。
なんというか、私はあまり「レッテル貼り」が好きではないんです。
「認められるため」に申請の時間とお金と労力を捧げるのはばかばかしいと感じているのです。これまでの人生でずっと。例えば、TOEIC900点なくったって、英語でのコミュニケーションにたけている人もいるだろうし、フェアトレード認証がなくったって、正真正銘のフェアトレードをおこなっているところはいくらでもあるだろう、というように。(だからいつまでたっても、資格の欄には普通自動車と自動二輪免許の2つだけ。)
でもより多くの人の気持ちを吸収して、プロジェクトなりを動かそうとするときには、「オーソライズ」されている方が、「理解が早い」のだとしたら、例えば、「フェアトレードタウン」の認定を受けることで、町が「盛り上がる」かもしれないし、浜松ってどんな町?って聞かれたときに、「フェアトレードタウンです」と堂々と言えるのは利点でしかないのでしょうね。
自分の町を形容する言葉を持つことは「住む町への愛着」につながることを、実は私も経験しています。
というのも、私が生まれ育った浜松市は「音楽の街」などと言われています。そんな風に名乗りだしたのは、浜松駅の横に、アクトタワーというシンボル的な高層タワーが建ったくらいの時期だったと思います。当時、私は高校生でした。
アクトタワーを含む一帯は、アクトシティと言われ、音楽を連想させる箇所がいくつもあります。たとえば、ホテルオークラアクトシティ内のエレベーターが楽譜のデザインであるのは序の口で、ホテルのロビーの柱はトランペットがモチーフになっているだとか、ショパンの丘、と名付けられた広場や「パガニーニ」というラウンジバーがあったりします。なかなかしつこいくらいに音楽に絡んでいます。
もともと、YAMAHAやKAWAIといったメーカーの拠点でもある浜松市では、小学生の社会科見学で、楽器工場を訪れます。正しくは、「楽器を作っている街」なのかもしれませんが、「音楽の街」を名乗ることで、名立たる楽団やアーティストをアクトシティホールに招聘出来ているという実績が生まれたのかもしれません(真相はわかりませんが)。
何より、音楽が好きな友人を「浜松は音楽の街で、楽器博物館もあるよ」と言ってそそのかし、遠方から遊びに来てもらう口実がひとつ増えました。
(昨今では、「餃子のまち」という称号も与えられ、「浜松餃子」などという20年前は誰も使っていなかったのぼりが街に溢れ、街のイメージができあがっていきます。)
今、私たちが「フェアトレードタウン」を目指すことで、浜松に暮らす子どもたちが、自分たちの街を語る言葉が増えるかもしれない。そんな風に考えると、フェアトレードタウンを目指すという目標を、もっと大きく掲げてもいいのではないか、などと思うのです。あくまで一市民ですので、何ができるかはわかりませんが、自分たちの街を語れる言葉を増やすことは、大切な「まちづくり」なのかもしれません。
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