シサム工房さんを訪問
シサム工房さんとの接点は、シサム工房さんがフェアトレードを行うフィリピンのルソン島北部コーディリエラ地方で、先住民によってつくられている無農薬コーヒー。
かつて豊かな森をほこったこの地域も、現金収入を求め、森を焼き払う「焼畑」をする人が増えており、木がなくなることで、大切な水資源が涸れ、いずれ農業が立ち行かなくなることが危惧されています。
そのため、アグロフォレストリーによる栽培で森林伐採を防ぎ、コミュニティを活性させながら、生産者の暮らしや未来を支えていく道を見出してゆくことから模索されたコーヒー栽培。
たしかに、まだまだ荒削りなコーヒー豆ではありましたが、これからアジアはコーヒーの産地としてももっと注目されていく中で、コーディエラの活動に寄り添い、生豆を購入しているシサム工房さんの姿勢に、共感するものが多くあります。
シサム工房さんにとってのフェアトレード
代表の水野さんは、シサムのフェアトレードは、現地のNGOを介して、そのNGOがサポートしている生産者らの産品を購入してきていると言いました。生産者に寄り添うNGOと繋がり、交流を重ねていく仕組みです。シサム工房さんは、全国に8店舗を展開、ショップでは、オーガニックコットンをつかったお洋服や小物など、数々の品を揃えています。本社でも、3階建ての建物には、たくさんの人が、それぞれのセクションで働いていました。水野さんのお話、そしてスタッフの皆さんの熱い眼差しとお話、シサム工房さんで働く方の笑顔、たくさんの商品に囲まれながらも整列されている社内・・・自分が思い描いている職場環境を、ビジュアル化したら、こんな感じになるのかな~ととてもわくわくしました。
会社の前にはたくさんの自転車が連なっており、聞けば、自転車通勤される方が多いのだとか。どれほど近くに住んでいるのかはわかりませんが、自転車で通える距離で働く会社がつながっているその先の世界が、インドやフィリピン、というギャップもおもしろい。
シサム工房さんにとってのキーパートナーがNGOであるように、豆乃木にとってのキーパートナーは「コーヒー生産者組合」になります。だから、豆乃木では、直接単一農園からコーヒー豆を買うことはありません。組合のアクティビティがより充実したものとなり、多くの生産者がそのサービスを受けられることで、より充実した生活を送ることができる、ことに、価値を置きたいからです。そのためには、もっと組合のアクティビティに注目していきたいと思います。
コーヒーはすばらしい飲み物です。コーヒーの美味しさに胸を躍らせる時間は、かけがえのないもの。
でも、自分が関わる事業を、「最高においしい一杯」という消費者の満足だけで終わらせたくない、と欲張っています。
もちろん、高品質であることはとても大切なことで、消費あっての生産なのは重々承知した上で、コーヒーから見える世界が、もっと輝くように、と組合との関係性を継続できるフェアトレードの道を進んでいきます。
スペシャルティコーヒーを扱うお店との違いはそこにあるのかなと、シサム工房さんでのお話を通じて、実感しました。
帰りに、シサム工房さんの1号店に連れて行っていただきました。
この1号店からすべてがはじまったのだというのが、店の構えからもわかるような気がして、はじめて来るお店なのに、懐かしさを覚えました。
購入したオーガニックコットンのTシャツ、1枚では物足りないわ。
次回はまとめ買いをしようと思い、いくつかの珈琲ショップやラーメン屋さんを巡りつつ、京都をあとにしたのでした。