「生産国」
「消費国」
そもそもこのカテゴリーが無意味になっているような気がする。コーヒーに関して言えば。
日本版THE WALL STREET JOURNALで2014年8月4日、このような見出しがのぼった。
「ブラジルなどコーヒー生産国、国内販売に力」
この記事を読み、何を今さら、という感と、やっぱりそうだよね、と再確認する気持ちが湧く。
本文によると、
コーヒー消費量は世界のコーヒー豆生産の60%を担うブラジル、ベトナム、コロンビアの3カ国で急激に伸びている。市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、ブラジル人のパッケージ入りコーヒー購入量は今年103万トンに達し、米国を抜いて世界最大になると見込まれている。ブラジルの消費量が世界一になるのは少なくとも1999年以降で初めてだ。
とのこと。もともと『ブラジル人は朝食のことを「カフェ・ダ・マニャ(朝のコーヒー)」と呼ぶほど』人びとの生活に定着しているらしい。
では何が変わった?
それは『近年は所得の増加に伴い、より高品質の豆への需要が急増している』という点だ。
では何が変わった?
それは『近年は所得の増加に伴い、より高品質の豆への需要が急増している』という点だ。
サンパウロでカフェ「コーヒー・ラブ(コーヒー研究所)」を経営するイザベラ・ラポゼイラスさんは、「商売が急に繁盛し出した」と話す。このカフェではブラジル産の豆で入れたコーヒー1杯の価格が12レアル(約560円)にもなる。「これは高品質がいかに習慣になりつつあるかを示すものだ。人々は低品質のものに戻ろうとしない」という。
私のいるメキシコでも、人びとのコーヒーへの関心の高さがうかがえるシーンに出くわした。
8月4日より4日間、チアパス州の州都トゥクストラにて、メキシココーヒーの「スタンダード」を探るべく、コーヒーのカッピングセミナーに潜入することになった。(潜入とはこちらの気持ちの問題で、実際は単に「参加」しているのだけれど。)
月に一度、文化庁管轄のコーヒーミュージアムにて開催される同セミナー。
今回の参加者は私を含め七名。当然、私以外は皆、メキシコ人。
今回の参加者は私を含め七名。当然、私以外は皆、メキシコ人。
何が印象的かと言えば、参加者の経歴だ。
私の想像に反して、
「どこぞのカフェで働いています」
という参加者は見当たらない。
「どこぞのカフェで働いています」
という参加者は見当たらない。
科学系、心理系に従事するオトナ、環境系の学生、トゥクストラに越してきたばかりのコーヒー好きの女性、さらにコーヒー好き×3…
皆、言ってしまえば「素人」で、「コーヒー」というキーワードに魅かれ、また、それぞれ自分の分野にコーヒーの知識を活かそうとするメキシコ人たちが、夕方17時開始、3時間×4日間のセミナーに集まったのだ。
初日の今日は、コーヒーの起源、チアパスコーヒーの特徴(チアパスで「オガニックコーヒーの栽培が盛んであることは世界的に誇るべきこと」との説明。)、精製方法や品種、さらにカッピングの必要性等々の理論編。その日は、忍ばせたカッピングスプーンは一度も登場させることもなく、真っ暗の部屋でスライドを見ながらの講義。ほとんどわからないスペイン語にウトウトする日本人と、暗闇で真剣にメモを取るメキシコ人。
コーヒーへの熱がますます高まるであろう「生産国」の、このような記事や人びとに接し、
「コーヒーの価格がますます高くなりますね」
と嘆くのはバカバカしいことだ。
とはいえ、最高品位のコーヒーはすべて生産国である自国で消費し、
「このくず豆、どこぞの国に買ってもらおうぞ。うしし・・」
なんて世界になって、元々の「消費国」だった我々が
「我々にフェアトレードを!!」
と叫んでいたりして。
「このくず豆、どこぞの国に買ってもらおうぞ。うしし・・」
なんて世界になって、元々の「消費国」だった我々が
「我々にフェアトレードを!!」
と叫んでいたりして。
頼むぅ~、私たちにいつまでもおいしいコーヒーを届けてくれ!!
カフェミュージアム in トゥクストラ (チアパス州の州都)
カフェミュージアム内 ラウンジ
QグレーダーのVictorさんと。1年ぶりの再会を記念して。
記事の出典:http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303513604580072611631794660
カフェミュージアム in トゥクストラ (チアパス州の州都)
カフェミュージアム内 ラウンジ
QグレーダーのVictorさんと。1年ぶりの再会を記念して。
記事の出典:http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303513604580072611631794660