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どの情報を切り取るかで、感じ方が代わり、対応が変わりますが、私はとにかく「よく食べて、体を動かし、しっかり寝る」で感染予防に務めたいと思います。もちろん、いつもより小まめに手洗い、うがいも忘れません。
ぽっかり空いた時間で焙煎&カッピング
私は5日ほどの関東滞在の予定を切り上げて、浜松に帰ってきました。
本当だったら何かしらの予定があった時間がまるっと空きましたので、普段できないことを思いっきりやろうと思い、まずは、いただいたコーヒー生豆のサンプルを焙煎しました。合計10種類を一気に焙煎したのです。
夕飯の後に、もう一度作業場に戻ってからはじめたので、片付けまで終えて家に帰ると、日付が変わっていました。それくらい集中して、ローストに時間を割けたことは、精神的にはとても心地よいことでした。
豆乃木は時々、メキシコのコーヒー生豆専門店と「誤解」されることがありますが、メキシコ以外の生豆も取り扱っています。
現状、自社で輸入しているコーヒー生豆はメキシコのみになりますが、同じように自ら現地に出向き、現地の人との交流の中で育った、良いコーヒー豆を仕入れたいと思っていますので、そのような信頼できる豆を取り扱わせていただいています。それがペルーや東ティモールです。
今回の10種類の内訳はこのような感じです。
・メキシコ6種 ・ブラジル1種 ・ラオス2種 ・中国 雲南省 1種 |
こちらをDiscovery(ディスカバリー)という小型焙煎機でサンプル用に焙煎しました。
そして昨晩、焙煎から1日おいた10種のサンプルをカッピングしました。
カッピングというのは、コーヒーのテイスティングの方法の一種で、コーヒーの甘味や酸味、苦味、あとに続く余韻などといった味や香り、 品質の良し悪しを客観的に、総合的に判断するものです。
カッピングの目的は様々だと思います。
ロースター(焙煎をする人)であれば、焙煎のチェックという目的もあるかもしれませんが、今回のカッピングの目的は、用意した10種類は、いずれもこれまでに取り扱いのない豆なので、もし自分が買い付けるなら、どの豆を買い付けるか、という視点でカッピングをしようと決めました。
補足すると、
● ラオスの2種類は、現在ラオスでコーヒー生産者の支援をしているNGOの方が、豆乃木を訪ねてくださり、サンプルを置いていってくださいました。まだ数家族のみの小さな取り組みのようですが、そのNGOをされている日本人の方は、コーヒーの知識も豊富で、様々なチャレンジをしている様子でしたので、良い豆だと良いなという期待を込めてカッピングをしました。
● 中国雲南省の豆は、以前に、やはりこれも、ふと浜松にある豆乃木をわざわざ尋ねてくださった中国人のご夫妻が、送ってくれたものです。中でも、雲南省普洱(プーアル)市は中国国内で最大の栽培面積、最多の生産量を誇り、優れた品質を誇るコーヒーの主力生産地と聞いていたので、こちらも楽しみでした。
● ブラジルは、有機栽培の豆で、お客様からご希望をいただいていたので、サンプルを取り寄せてみました。
● メキシコ6種類は、同じメキシココーヒー仲間である韓国人のKimさんからいただいていた豆です。
ここからが個人の見解ですが、結論から言うと、今回のカッピングでは、メキシコは別格でした。
ブラジルは残念ながら、自分で「飲みたい」、と思うような豆ではありませんでした。これはいくら有機栽培のものだからと言っても、生産地との接点も薄く、何よりも、コーヒーとしての魅力を感じ取ることができませんでしたので(*個人の見解です。)、これを敢えて豆のぎで販売する理由が見当たらないと判断しました。
次に、ラオス。ラオスは精製方法の違う2種類があったのですが、内、1種類はクリーンさもある程度保ちながら、フレーバーが豊かでおもしろいと感じました。この豆には、可能性を感じました。
中国も、残念ながら時期尚早と言う感じですが、産地としては、まず何よりも近いし、栽培方法の安全性や労働環境などが細かく把握できるものであれば、とても魅力的だと思いました。
そしてメキシコ。Kimさんが送ってくれる豆は精製もきれいですし、良い豆が多いと言う印象ですが、この6種類は、本当に素晴らしい豆でした。送ってもらったサンプルは、豆の情報がなかった分、なんの先入観もなく、カッピングすることができました。
ここでも、「自分が買うならどの豆にするか」と言う視点でカッピングをしました。
すぐにいくつかに絞られましたが、時間の経過と共に、コーヒーの見え方も変わってきます。
カッピングの最中には、カッピングスコアをつけています(ここではカッピングスコアについて詳しい説明はしませんが、80点以上でスペシャルティコーヒーと言われます。)。今回のメキシコはどれも80点台後半の点数がつきました。
中でももっとも高得点をつけた豆について、早速Kimさんに質問をしてみました。Kimさんは現在ベトナムにいるので、時差があまりないせいか、すぐに返信をくれました。
#カッピング 終了。
— Seiko SUGIYAMA@次は4月にメキシコ🇲🇽 (@japafricanism) February 22, 2020
メキシコ 6種は他と比べ段違いで良かった。
一番高い点数をつけた豆、情報が少なかったので、これは何かと訊ねたら、2019年のメキシコのカップオブエクセレンス2位の豆でした。
カッピングにも自信がついた。でも91.14点は、、、どうなの⁉️#pache pic.twitter.com/JTrw8mVG3F
普段、作業場でカッピングをするときは、ほとんど一人でやることが多いので、自分の判断が正しいのか、不安になることが多いです。それなので、定期的に浜松市内のロースターさんが主催してくださるカッピング会に参加させていただいています。
だから今回、自分が最高得点をつけた豆がまさかメキシコのCOE(カップオブエクセレンスというコーヒーの国際審査会)で2位だった豆だったと聞いて驚きました。(と言うか、そんなコーヒーをさらっと用意できるKimさんもすごいですね。)
今回、最初に豆の情報がほとんどなかったのも良かった点です。
と言うのは、6種類の中で、1種類だけ、「おや?」と疑問に感じる豆があったのです。それは、「ティピカとブルボンのMIXでナチュラル精製したコーヒー豆」だったようで、一見すると、良いコーヒーではないかと感じるのですが、やや温度が下がってきたあとで、もう一度カッピングをした時に、思わず、口から吐き出してしまうほどの違和感があったのです。これをポジティブに捉えていたら、「ワインのよう」「果実感」だったかもしれませんが、私には、「過発酵」「少し腐っている」と察知したのです。正確にはどうなのかわかりませんが、この場合は、自分の感覚を信じるしかありません。(Kimさんがそんなサンプルを送ってくるはずもないので、もちろん腐っているわけではないと思います。)
ひとりでカッピングをするときは、下の写真のとおり超簡易カッピングです。
本来は1つのサンプルにつき3個のカッピンググラスを用意しなければなりません。今回の場合は、10サンプルありましたので、30個のカッピンググラスが必要になります。物理的に30個もカッピンググラスがないというのもありますが、何よりも「ちゃんとやろう」すると、ちゃんとできる時間と環境を整えるまで、カッピングをしなくなってしまうからです。
この簡易カッピングスタイルに割り切ってから、かなり身軽になりました。
そして、例えば、実際に買い付けたい、と思うような豆であったり、「おや?」と疑問に感じた豆だけを、次の段階で、3つのカップを用意して、もう一度精査してみよう、という感じです。
ときどき、こんな風に、コーヒーをみる視点やそのための作業についても、記事にしていきたいと思います。
最後に、コロナウイルスでイベントやコーヒーセミナー がキャンセルになってしまいましたが、生まれた時間を有効に使って、さらに、コーヒーを楽しめる体質を作って行こうと思います。
例えば、こんなこととか。
本当だったら今日まで関東出張だったけど、3日前には浜松に帰ってきて、いつも余裕がなくてできていないことをした。読書もそのひとつ。
— Seiko SUGIYAMA@次は4月にメキシコ🇲🇽 (@japafricanism) February 22, 2020
アフリカで生活していた頃、隊員連絡所の本読み尽くし、その後完全に、読書習慣がついたと思ったけど、ここ数年、1ヶ月に1〜2冊にダウン。
今こそ本を読もう‼️