ベラクルスからプエブラまでは バスで3時間半くらい。夜行バスを利用することが多いせいか、日の出ている時間のバス移動は新鮮だ。山の斜面にサボテンがぽこぽこぽこぽこ生えているところ景色は、いかにもメキシコらしく、初めて見る光景に、まるで遠足のような気分。
ちょうど、地元浜松から東京駅までも、バスで3時間半ほどだろうか。メキシコシティからサンクリストバルはバスで14時間(飛行機もあるので、敢えてバスを利用する必要もない。金額的にもそれほどリーズナブルだとは思えない)。それに、こちらで紹介した、最初の海外居住地が首都からバスで6時間離れた都市だったこともあり、3,4時間程度のバス移動は、まったく苦にならない体質になっている。
とはいえ、3時間も、4時間もぼーっとしているわけにはいかないので、バスの移動中の楽しみをいくつか持っている。ほとんどは、iphoneにダウンロードした落語。部屋の中でも大抵you tubeで落語を聴いているので、この旅で、日本人の方にほとんどお会いしていないけれど、日本語を懐かしく感じないのは、師匠方のおかげだろう。日本にいても、ここまで集中して落語を聴く時間がないので、帰国後にひょっとしたら高座に上がれる腕前になっているかもしれない(?)。
そして今回のバス友は、買ってからずっと開いていなかった『永遠の0(ゼロ)』。これを読み始めてから、You tubeは落語と神風特攻隊をいったりきたりしている。ハタチ前後で命を燃やした特攻隊員。彼らの1.5倍を生きても尚、人生の操縦桿を操れぬ私。でも21世紀の我が国では、そんな不器用な人間だって、何度でも何度でもアタックできる。私たちの手の中には、無期限のフリーパス、どこへでも行けるし、いつでも帰って来られる。そう、何度でも何度でもアタックできのだ。
日本のテレビの影響も受けないメキシコにおいても、8月になると、私たちは、かつての戦争(かつてと言っても終戦から1世紀も経っていない)に思いを巡らせるようにDNAに組み込まれているのだろう。
さて、いつもの「マクラ」で笑ったり、そこからうとうとしたりしていると、バスの窓が大都市を捉える。バスターミナルが空港のようだと言うと大げさだけれど、サンクリストバルのバスターミナルが、幼稚園バスの車庫と思えるくらいに大きな大きなターミナル。ここがプエブラだ。
プエブラ州プエブラはメキシコシティにほど近く(車で1時間半ほど)、プエブラ市の歴史地区は世界遺産に指定されている。こちらも標高2000メートル、セントロに入って、歴史的建造物に囲まれ厚着した人たちを眺めていると、日本で言うところの晩秋を思わせる。今日は市内を観光バスで遊覧し、体全部でこの街を感じることができた。
*この街のもうひとつの見どころはタラベラ焼きという陶器
ところで、プエブラに来た目的は、この地で今日8月22日から3日間、ラテンアメリカコーヒーEXPOが開催されるからだ。その様子はまた明日。生産国ならではの「サビ病対策商品」「果肉除去マシン」などの展示がなかなかおもしろい。
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