年明けに、フェアトレードについて、座談会という形式の取材を受けていたのだけれど、その下書きが2か月の熟成を経て、メキシコに送られてきた。読み直して、返信もしくは修正を依頼しなければいけないということだけれど、これがなんというか・・・自分が語ったであろう言葉に翻弄されている。
現在の「活動」に至った経緯ということで、私は大学時代に関わったフェアトレードプロジェクトについて触れている。問題は、その先にあって、「仕事のやりがいは?」との質問に、私は、
「コーヒーは手工芸品と違うんです」
という前置きから、次のように話している。
コーヒーというものはほかと違うと私は思っています。コーヒーは商品作物で、現金収入を獲得して、一家の収入の支えになるものですよね。そこをなくして生活が成り立たない部分がある。私はそこにかかわりたいんです。(中略)さらに、コーヒーは市場規模がすごく大きいわけですが、大きい市場ってフェアトレードがもっとも苦手とする分野なんですよ。貿易構造の変革に食い込んでいけるのは、コーヒーという、絶対的に愛されている商品ならではだと思っています。
これは完全に多くの手工芸品をフェアトレードされる方にとってヒジョーに感じが悪い。(当然、私にも、編集してくださった方にもそんな意図はない。)
本来伝えたかったことは、
・コーヒーは世界中の人に愛される飲み物(市場規模が非常に大きい)
・栽培されている地域は「コーヒーベルト」と呼ばれ、「途上国」にほぼ限定される
手工芸品や加工食品等の作り手には女性が多く、その意義は大きい。現状のメキシコのように、サビ病によって収入を大きく減らしても、もし手工芸品等による収入があれば、それによって、家計を補完できるからだ。さらに、別の方が語っておられるように、「コーヒーのような換金作物が育たないところでは、手工芸品や加工食品等による収入源が生きてくる」という点に、深く頷くわけで。
それは百も承知で、でもやっぱり、コーヒーが担う役割って大きいよね、という話をしたかったのだと思う。つまり・・・
「コヨーテ(仲買人)に騙されて、農家さんの育てたコーヒーが買いたたかれたりしませんように。そのコヨーテが、澄まし顔したコーヒー輸出業社に売ったコーヒーを、日本の大手が「ドカン」と買い付けて、日本で安売りしていたりしたらキモチ悪いな。だったらどれだけできるかわからないけど、重箱のド真ん中で勝負したいんだけど(勝負できてないけど・・・)」
っていう、ちょっとイキガった感じは否めないけど、しょーがない、これがやりがいなのだから。何より、コーヒーが好きやねん、ていう。
正味な話、マヤビニックでは、とうもろこしを自家栽培、自家消費しつつ、養蜂なんかをやっていれば、コーヒーがたとえ不作で、現金収入を大幅に減らしたとしても、これがまあ、細々となんとか生活できてしまうらしい。でもそれができない地域がチアパス州のEl Trinfoという野生保護地域。
そこでコーヒーの栽培をしている人びとが所属する団体のひとつに、CESMACH(セスマッチ)というのがある。彼らとも学生時代のプロジェクト以来、関わりがある。その野生保護地域では、唯一コーヒー栽培だけを許されている。典型的なモノカルチャー。私たちにはコーヒー栽培がすべてです、という社会。
現在の「活動」に至った経緯ということで、私は大学時代に関わったフェアトレードプロジェクトについて触れている。問題は、その先にあって、「仕事のやりがいは?」との質問に、私は、
「コーヒーは手工芸品と違うんです」
という前置きから、次のように話している。
コーヒーというものはほかと違うと私は思っています。コーヒーは商品作物で、現金収入を獲得して、一家の収入の支えになるものですよね。そこをなくして生活が成り立たない部分がある。私はそこにかかわりたいんです。(中略)さらに、コーヒーは市場規模がすごく大きいわけですが、大きい市場ってフェアトレードがもっとも苦手とする分野なんですよ。貿易構造の変革に食い込んでいけるのは、コーヒーという、絶対的に愛されている商品ならではだと思っています。
これは完全に多くの手工芸品をフェアトレードされる方にとってヒジョーに感じが悪い。(当然、私にも、編集してくださった方にもそんな意図はない。)
本来伝えたかったことは、
・コーヒーは世界中の人に愛される飲み物(市場規模が非常に大きい)
・栽培されている地域は「コーヒーベルト」と呼ばれ、「途上国」にほぼ限定される
・生産者の多くは零細農家
・コーヒーは一家の収入の柱になる
・そしてとうもろこしなどと違って、自家消費は少なく、ほとんどが輸出向け(換金目的)
・価格は国際市場で決められ、価格変動は非常に激しい(*ブラジル次第)
・生産者はその大きな波に翻弄される
・コーヒーは一家の収入の柱になる
・そしてとうもろこしなどと違って、自家消費は少なく、ほとんどが輸出向け(換金目的)
・価格は国際市場で決められ、価格変動は非常に激しい(*ブラジル次第)
・生産者はその大きな波に翻弄される
手工芸品や加工食品等の作り手には女性が多く、その意義は大きい。現状のメキシコのように、サビ病によって収入を大きく減らしても、もし手工芸品等による収入があれば、それによって、家計を補完できるからだ。さらに、別の方が語っておられるように、「コーヒーのような換金作物が育たないところでは、手工芸品や加工食品等による収入源が生きてくる」という点に、深く頷くわけで。
それは百も承知で、でもやっぱり、コーヒーが担う役割って大きいよね、という話をしたかったのだと思う。つまり・・・
「コヨーテ(仲買人)に騙されて、農家さんの育てたコーヒーが買いたたかれたりしませんように。そのコヨーテが、澄まし顔したコーヒー輸出業社に売ったコーヒーを、日本の大手が「ドカン」と買い付けて、日本で安売りしていたりしたらキモチ悪いな。だったらどれだけできるかわからないけど、重箱のド真ん中で勝負したいんだけど(勝負できてないけど・・・)」
っていう、ちょっとイキガった感じは否めないけど、しょーがない、これがやりがいなのだから。何より、コーヒーが好きやねん、ていう。
正味な話、マヤビニックでは、とうもろこしを自家栽培、自家消費しつつ、養蜂なんかをやっていれば、コーヒーがたとえ不作で、現金収入を大幅に減らしたとしても、これがまあ、細々となんとか生活できてしまうらしい。でもそれができない地域がチアパス州のEl Trinfoという野生保護地域。
そこでコーヒーの栽培をしている人びとが所属する団体のひとつに、CESMACH(セスマッチ)というのがある。彼らとも学生時代のプロジェクト以来、関わりがある。その野生保護地域では、唯一コーヒー栽培だけを許されている。典型的なモノカルチャー。私たちにはコーヒー栽培がすべてです、という社会。
循環型農業として、野生保護目的も兼ね、コーヒー栽培をしているCESMACHのコーヒーもまた、サビ病に苦しみ、大きく生産量を減らしている。そんな中で、私たちもまた、本来手に入れたい量のコーヒーが確保できない、と相談したところ、彼らから、貴重な生豆を分けてもらえることになりそうだ。そう、これが本題。
マヤビニックとCESMACH。同じチアパス州にありながら、まったく違う背景でコーヒーを栽培している2つの団体。いずれもフェアトレード認証を取得し、メキシコの特徴でもあるオーガニック栽培がなされている。
メキシコの北部の乾燥したイメージとはまるで異なる、緑深いチアパス州で、その恵まれた自然環境ので育てられたふたつの団体のコーヒーを、今回なんとか手に入れられそうなところまでやってきた。フェアトレードなんて語るもんじゃない。生産者にしっかりお金もはらって、お客様においしい豆で喜んでもらうだけさ、ともう一度イキガってみたい。
* * *
マヤビニックとCESMACH。同じチアパス州にありながら、まったく違う背景でコーヒーを栽培している2つの団体。いずれもフェアトレード認証を取得し、メキシコの特徴でもあるオーガニック栽培がなされている。
メキシコの北部の乾燥したイメージとはまるで異なる、緑深いチアパス州で、その恵まれた自然環境ので育てられたふたつの団体のコーヒーを、今回なんとか手に入れられそうなところまでやってきた。フェアトレードなんて語るもんじゃない。生産者にしっかりお金もはらって、お客様においしい豆で喜んでもらうだけさ、ともう一度イキガってみたい。
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