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【2016-DAY3-1】 縁という得体の知れぬもの

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杉山世子の【メキシコ滞在記】

2016/03/07

【2016-DAY3-1】 縁という得体の知れぬもの

2016年3月5日から3月14日までメキシコへ行ってきます!

【2016-DAY3-1】 縁という得体の知れぬもの

車窓に広がる色の濃淡

トゥクストラ・グティエレスからサンクリストバル・デラス・カサスへ向かうにはいくつか方法がある。一番手軽なのは乗り合いのミニバス(コンビ)、次にバス、それからタクシーか。
コンビも10分間隔くらいで出ているので便利だと聞いたが、私の場合、スーツケースのおさまりもよい大型バスでの移動がほとんどだ。
最初はバスのチケットさえも買えなかったし、その仕組みもよくわからなかったが、2014年の長期滞在を境に、ホームページで運行スケジュールを確認できるなど、その利便性に気づき、使えるようになった。バス網が発達しているので、2014年のときもバスの国内旅行はそれなりに楽しめた。
窓口で行き先を告げ、時刻を選ぶ。行き先が同じでも、時間帯によってバスの種類(等級)が異なり、値段が違うのだ。

トゥクストラ-サンクリストバル間は、ほとんどの場合、時刻を問わなければ、予約しなくともチケットを購入することができるのではないだろうか。
この日は、運が良いのか悪いのか、希望の時間帯では、一番良いクラスのバスしかなく、割高ではあるけれど、ミネラルウォーターとイヤホンが配られるというサービスがあった。
唯一、予定通りにいかなかったのは出発時間で、8:00発の予定が30分遅れて出発。まったくの許容範囲ではあるけれど、マヤビニック組合事務所へ行く前に、宿にチェックインできるかの瀬戸際に立つ。

到着した日からずっと天気はよく、車内に敷かれた暑いカーテンの隙間から、車窓を眺める。何もない土地が延々と続く景色の中に、人影を探そうとするが見つからない。目の中に飛び込んでくる景色をひとつずつ消化しながら、私はたったひとつの言葉にこだわっていた。それは「縁」という得体の知れないもののこと。

「これで何度目の訪問になるのだろうか」

片手では足りなくなった訪問回数を数えながら思った。
隣国であってもまだ行ったことがないところはいくつもあって、隣町の人にだってまだ出会っていない人が何人もいる。だけど私は、言葉も文化も理解しないままに、2012年に初めてメキシコに来てから、毎年欠かさず、多いときでは年に二度、この国に時に飛行機を乗り継ぎ、来ている。

思い入れという意味では、アフリカ大陸は私の心の拠り所になっていて、当時、言葉さえままならぬ私を温かく迎えてくれた「彼ら」と、もう一度、一緒に仕事をしたい、という思いが根底にあって、起業に至ったのは事実で。それにも関わらず、私は大学を卒業してからというもの、一度もアフリカへ向かうことなく、その代わりに、足がと労力のすべてをメキシコに向けてきた。
同じく、メキシコが大好きで、憧れていたとしても、一度もメキシコの太陽を浴びたことがないという人はたくさんいるのに、私は、いともあっさりとメキシコという国と結びつき、訪問を重ねてきた。自分で選んだというよりは、そこに行くことが必至だった。
これには「縁」という以外に適切な言葉が見当たらず、だからこそなぜこの場所に縁があるのかを、このようにぐるぐると思いを巡らせるも、解はない。

通常1時間ほどの道のりが、この日は途中、途中に工事があったせいか、1時間半以上をかけてサンクリストバルに到着。バスターミナルに居合わせてたタクシーに慌てて乗り込むと、宿の場所を伝える。

「グアダルーペ教会の近くまで」

碁盤の目になっているサンクリストバル市街の細い路地を将棋の駒で言うと「角」のようにカクカクと進んでいった先にグアダルーペ教会が見えてくる。
この角を曲がると、私のことを待っているメキシコ人がいるという不思議…。
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かつてのブログに書き記してきた滞在記も少しずつ転記しています。
ものの見方やコーヒーに対する視点・考えなども、今からみるとかなり違和感のある文章もありますが、それも含めてお読みください。
http://www.hagukumuhito.net/news/?mode=list&cat=10&&page=3

旅の写真はFacebookにて随時アップする予定です。
https://www.facebook.com/mvcoffee/