先週のクライネスカフェさんのお話し会に続き、今日はGrain(グレイン)さんでお話させていただき、またその間に、「はままつグローバルフェア」というイベントや、「はままつフェアトレードタウンネットワーク」のミーティングがあったりで、今週はフェアトレードにまみれる、という一週間でした。
「フェアトレードの意義やフェアトレードを必要とする背景」を人に伝える、というのは、本当に難しい。私の理解も足りないのかもしれませんが、いつまでも端的に言い表すことができないままでいます。
そんなときに、部分的ではありますが、『フェアトレードラベルジャパン』さんのFacebookで、フェアトレードの課題と、フェアトレードでできること、が上記のように整理されていました。
こちらを見るとわかるように、チョコレート(カカオ)とコーヒーでは抱えている大きな課題(問題)が違うのですね。
私はコーヒー側の人間なので、コーヒーの事情(正当な対価が払われない等々)はよく理解できているつもりですが、カカオの現場で語られる「児童労働」については、実感をもって、理解できていないという気がしています。
ガーナには行ったことがありませんが、赤道直下のとても暑い国という印象はあります。青年海外協力隊の仲間の中に、ガーナ隊員がいますが、暑すぎて、日中はまるで仕事にならない、と言っていたことを思い出します。
同じアフリカとはいえ、ジンバブエ、ケニア、マラウイで活動した経験のある私にも、児童労働、というの言葉はピンときません。でもガーナが世界のカカオの生産量80%という背景から、ガーナの児童労働が深刻なのだろう、という想像はつきます。それほど機械化もなされていないであろう国で、世界の80%のカカオを生産するためには、それはそれはたくさんの人手がいることでしょう。
そして今日、Grainさんので行われたツキイチシネマの会で、「児童労働」という漠然とした言葉の裏にひそむ「課題」を、『バレンタイン一揆』というドキュメンタリー映画の中で、感じることができました。
内容は、女子高校生、女子大学生の3名がカカオの生産国ガーナに行き、生産現場で児童労働を廃止する取組みをおこなっているNGOの活動に参加するというものです。映画の製作は児童労働から守るNGO、ACE(エース)によるものです。ACEのサイトには、児童労働のことが詳しく書かれていて、とても勉強になります。私が感じていた、
「家の手伝い、と児童労働の境目ってなんだろう?」
への回答もホームページ上に掲載されています。(http://acejapan.org/childlabour/entrance#q3)
映画の中で、ナナさんというガーナ人が、現地で児童労働禁止を訴え、子どもを学校に通わせるように必死で呼びかけていました。
私たちのような「富めるガイジン」が「学校へ行け」「子どもに教育機会を」といくら訴えても、(それは重要なことではあっても)無責任になってしまう。誰がその分稼いでくれるんだ。誰が自分たちの面倒をみてくれるんだ、と。だけど、ナナさんのような現地のキーパーソンが、目先のことではなく、将来を見据え、教育の重要性を説いてまわることで、村の人たちが少しずつ変わっていく。その「少しの変化」が将来の大きな変化につながるのだと思い、地道な活動こそが、とても大切だと痛感しました。
私だって、子どもが涙を流しながら、生きていることを絶望しながら作られるチョコレートなんて、絶対食べたくないけれど、その前に、そんなチョコレートを堂々とお店で売っているのもヤバイし、その利益で高給もらっている人がいたならヤバイぜ、と唸る思いです。
「自分たちさえよければそれでいいの?」
でも「フェアトレードのチョコレートって品目が限られていて、板チョコばっかりで、贈り物には向かないんだよね」と今日、共に映画を観た方が感想を漏らしていました。そういうことも確かにあるのかもしれないなあと。