豆乃木は、フェアトレードラベルを取得していません。
なぜならば、現段階ではそこに経費がかけられないから、ということもありますが、何より、現状では、直接お客様に「伝える」ことができるからです。豆乃木の商品は、多くの場合、豆乃木からお客様へと、直接販売ができているから、あえてラベルをつけて売る必要性がありません。今のところはそうです。
でも、豆乃木は、多くのケースで、FLOの基準に則っています。そのひとつが、「前払い」です。
■前払いの保証 -生産者が債務のわなに陥ることがないよう、生産者からのリクエスがあれば代金の前払いを保証すること
彼ら自身も、コーヒー豆を外国に送り出すために、それなりにまとまった費用がかかります。
麻袋(そしてグレインプロ)を用意し、機械を動かして、選別を行い、トラックを手配して港まで送る。そのための人件費。
プレシッピングサンプルを送るための航空便代もしかり。
今回、マヤビニックとは総額で500万円ほどの取引になるのですが、彼らから、前払いのリクエストがきています。
フェアトレードなのだから、それに対応するのは当たり前!
以前の私はそう考えていました。
それに、結局、港に着いて、豆を確認してすぐに送金するのだから、払いのタイミングが少し早くなったって、それほど問題ないのでは?
と思う方もいると思います。
正直は話、創業6年、これまで細々とやってきた豆乃木に、そして私個人にも、前払いできる余力が残っていないのです。
今回は地元の信用金庫の融資を得て、コーヒー豆を仕入れるわけですが、担当の銀行マンは、「前払いには応じられない」ときっぱり。そうでなくても、連帯保証人をつけられない私に融資をするのは、銀行にとっても「賭け」なのです。
その上、海外との取引、それも、メキシコという日本から遠い国との貿易・・・しっかりと港に届くかどうかわからない段階で、前払いのために、融資するのは、リスクが大きいのです。
というわけで、前払いのためのお金を、さらに借りなければならない状態に。
「貧しい生産者の救済」、というイメージもまだ根強いフェアトレードですが、買い手であるこちらの体力が十分でない限り、フェアトレードの継続性はあり得ません。
今は多くの人や機関を頼らなければ、自立できないのは、むしろ買い手である私の方で。
前回は購入金額に対して、半分の金額を前払いしていましたが、今回は、4分の1程度で、合意できないか、マヤビニック組合に投げかけています。
これが本当にリアルな豆乃木の台所事情。
ねえ、そこまでしても、輸入する意味あるの?
と言われるかもしれません。日本にはコーヒー豆もあふれています。
でも、私は、やる価値があると思っています。
このやり取りの蓄積さえも、彼らとのパートナーシップを強め、また次の「フェアトレード」に必ずつなげていきたいとおもいます。
All roads lead to Rome.
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当社では少量から、フェアトレード及び無農薬栽培された
コーヒー豆を卸売り価格にて販売させていただいております。