と組合のルイスが言ったときには、
既に時計の針は13時をすぎていた。
「え?これから」
と思いながらも、願ってもないチャンスだと思い、私は二つ返事で頷いていた。
2012年の2月に訪れたときはまさに収穫シーズン。
コーヒーチェリーと呼ばれる赤い実がなっていて、これがコーヒーの生産現場かと、圧巻の思いだった。このとき、初めてマヤビニックの人たちと会って、栽培現場に立つことによって、自分の仕事にリアリティが出てきた瞬間だった。
そして2013年5月。
収穫はとっくに終わっている頃。この時期の畑の様子はどうなっているのだろう。興味深々だったし、たくさんの情報をお客様に届けたいという意欲に満ちた。
ルイスの運転する車で山の中のくねくね道(舗装はされている)をサンクリストバルから下ること1時間半。到着したのは、マヤビニックコーヒーの主要産地アクテアル。
すっかりおなじみのこの建物に、懐かしさをおぼえる。
集積所兼加工場では、パーチメントの状態で麻袋が高く積み上げられていた。
こちらは二週間以内に加工処理されて、アメリカやヨーロッパへと運ばれるとのこと。
ああ、この中の豆を、今年は日本に持ってくることができなかったんだよな・・・
と少し残念に思いながらも、ここに来て、来年は必ずや自社で輸入をして、このマヤビニックの豆を日本に最良の状態で持ってくるんだ!
と改めて思った。
さらに集積場のまわりを散歩することになった。
前回、来たときは山用のウインドブレーカーを羽織っていたが、今回はさすがにその必要はなく、標高1500メートルにいながらも、日差しもあって、じわりと汗が出てくる。
ルイスがひょいひょいと軽やかに斜面を登っていく。私もそこに遅れないようについていく。すると、
ん??
どこかで見たことのある光景。
そう、それは蜂の巣箱だった!