エルサルバドルの首都、サンサルバドルに到着
2018年12月11日。メキシコシティを経由して、エルサルバドルの首都、サンサルバドルへやってきた(『メキシコ滞在記』はリンクよりお進みください)。
スマホでサンサルバドルの「一週間の天気」を見てみると、乾季なのだろう、ずっと太陽のマーク。そして最高気温が30度を超えている。ものすごく暑い国を想像し、メキシコの拠点となるサンクリストバル用に、寒さ対策にばかり気を取られており、暑さ対策が十分ではないことに今さら気づく。さあ、どうなるだろうか。
そもそのエルサルバドルを調べていけばいくほど、コーヒー以外ではネガティブな話題が多い。殺人事件の発生件数などは、目を覆いたくなる。今回の一番の不安材料は、何より治安だ。さて、そんなエルサルバドル、改めてどんな国であろうか。そんなことをビクビクしながら探る旅のはじまりとなった。
はじめて利用するアビアンカ航空(コロンビア)で、メキシコシティから無事にエルサルバドルの首都、サンサルバドルには到着したのは19時を過ぎたころ。夜間の到着に不安を感じていたけれど、事前に今回、旅をコーディネートしてくださった現地在住で、JICAの専門家として駐在しているUさんが手配してくれた車が待っているとのことだったので、大丈夫だろうか。
降り立った空港は、メキシコ・チアパス州の玄関口、トゥクストラ・グティエレスの空港ほどの大きさで、出口もひとつ。スーツケースを受け取って、「さて、迎えが来ているはず」と、一歩扉を出ると、いきなりそこが屋外で驚く。[
「Srta SUGIYAMA」
の紙を持った小柄な男性が、背筋をピッと伸ばし、すぐに私をみとめると、さっそく荷物を持って、「さあ行きましょう」と言う。まわりにも、たくさんの人がいて、皆が、誰かしらの到着を待っているのだろうが、雨が降ったら、どのような状況になるのだろう、と心配になるほどに、見事に、そこが屋外なのだ。
サンサルバドル市街では、渋滞にもはまり、空港から約50分。無事に、手配してもらっていたホテル。こじんまりとしたロビー、大きすぎない、クリスマスツリーが飾ってあり、温かな雰囲気をたたえている。チェックインも、実にスムーズにできたのは、前述の専門家のおかげである。
なぜか室内は肌寒い。しかしながら、その磨き抜かれた床やほこりひとつない室内の清潔さに、一気に期待が高まる。丁寧な仕事ができる国民性だとしたら、きっと、コーヒーづくりも丁寧に行われているのではないか。メキシコとは異なる雰囲気を持つエルサルバドルに、急激に期待が高まるのを感じた。
ほほえみの国・エルサルバドル
3泊4日の滞在は、とても充実したものだった。出かける前に思い描いていたエルサルバドルと、180度違う印象を、今、抱いている。
エルサルバドルの人はやさしい。
怪しいスペイン語で、朝食の会場を確認する東洋人にやさしい。ホテルの朝ごはんを配膳してくれる女性たちの笑顔はまるで「お母さん」のよう。
「おもてなし」という言葉を思い浮かべる。包み込むような笑顔で、コーヒーをサーブしてくれた。
それはホテルの中に限らず、ホンジュラスの国境に近いところで暮らすコーヒー農家さんから、皺ひとつないスーツを着て、エルサルバドルコーヒーの手綱を握っているであろうコーヒー審議会の人たちに至るまで。
皆が親切で、温かい。
うう、ごめん、メキシコ。
わたしはエルサルバドルが好きだ。
朝食を食べ終え、そんなこんなを、スマホで黙々と打ち込んでいると、「お母さん」がやってきて、私に微笑む。
「コーヒーのおかわりいる?」
わたしは家族にも見せない笑顔で、
「Si, por favor」
と答えた。
エルサルバドルと言えばププサ
エルサルバドルの代表的なお食事ププサは、本来朝か、夜に食べるそう。フリホレス(いんげん豆)とケソ(チーズ)が入ったトウモロコシ版おやきのよう。
ププサを作る女性
こちらもほがらかな笑顔が印象的。ププサ、2枚くらいぺろりと食べられるかなと思いきや、1枚でおなかいっぱいになってしまった。こちらはとうもろこしが原料になっているが、日本人の方からは「お米でつくったププサがおすすめ!」とのこと。今度、食べてみたい。