フィリピンの首都マニラに到着したのが金曜日の深夜。そのままホテルにチェックイン。
翌朝、7:30にオーガニックマーケットを目指し、ホテルを出発する。
オーガニックマーケットで、さっそくおいしいフィリピン産のコーヒーを、と思ったのだが、試飲をさせてもらった1店舗以外に、コーヒー屋さんを見つけられなかった。
その後、フィリピンに年間4~5回、いやそれ以上通っているかもしれぬ旅の仲間に連れて行ってもらい、およそ観光客は立ち入らないであろう商店で、あれやこれやと掘り出し物を紹介してもらう。スーパーマーケットで、彼女がおすすめしてくれる無添加のコスメも買い込む。とにかく物価が安い。お土産用にと、手に取ったドライマンゴーは500円ほどなのだが、それが少し割高だと感じてしまうほどだ。
勢いよくショッピングを済ませ、本来の目的地、ミンダナオ島のカガヤンデオロを目指す。
出発時刻もすでに遅れていたのだが、さらに搭乗後に、なぜかピクリとも動かない機内の中で、どれほどの時間を過ごしただろうか。気がつくと私は眠ってしまい、目を覚ますと上空を飛んでいた。
LCCの機内では、持参した水を飲みつつ、オーガニックマーケットで買ったランチボックスの残飯を食べる。糖質と脂質の多い食事を憂いているのだが、そのたびに、「旅の間は、仕方ないさ」と何度も自分を励ますのだった。そう言いながら、だんだん規制緩和が進み、南国の甘いフルーツを次から次へとつまみ、腹が減っては戦はできん!とスナック菓子を非常食として携行するようになるのは、そのもう少し後のこと。
カガヤンデオロに到着したのは16:00を過ぎていた。どんよりとした空からは、時折小雨が降る。旅の仲間が用意してくれていたフィリピン人ドライバーと、彼女の友人家族が、空港でお出迎え。車内、窓の外に太陽は見えなくとも、フィリピン人女性の陽気な雰囲気と、その中でふとしたときに垣間見えるシャイな一面に、これからもフィリピンとの縁が続くと良いなぁ、と思った。
仕事に限らず、例えばフィリピンに友だちがいたのなら、旅の仲間のように、足繁くフィリピンを目指すだろう。フィリピンの人びとの笑顔に触れるたびに、その心地よさが、十分に理解できるような気がした。
翌日、はままつフェアトレードタウンネットワークをけん引してくださっている下澤教授率いる学生さん9名をピックアップするために再び空港へ。前日の深夜便でマニラに到着、そして早朝のフライトで現地入りした彼らは、疲労感を滲ませながらも、それを上回る若いエネルギーで、大人たちをクラクラさせた。
途中、学生たちはマクドナルドで朝ごはん。私は、となりのコンビニで水を買い、日本から持参した大豆由来のエナジーバーを食べて、空腹を満たした。
「御一行様」の旅はまさに始まったばかりだった。