カッピングセミナー2日目。
理論詰めの1日目を終えての2日目。
数人はドロップアウトするのではないかと目論んでいたのだが、まったくそんなことはなく、むしろ昨日来ていなかった人が突如現れるなど、非常にまじめなメヒカーノたちと過ごす時間はとても楽しい。
今日のカッピングセミナーでは、<Le Nez du Cafe ルネデュカフェ>の 36本のアロマが登場。これは、コーヒーのアロマキットで香りを嗅ぎ分けるトレーニングに使用するものだが、実は私も、実物を観るのははじめて。当然、初体験。
コーヒーを評価する上で欠かせない「香り」のサンプルが小さな瓶に入っているのだが、鼻の弱い私がどれだけ嗅ぎ分けられるだろうか。
ちなみに、今回は5種類の香りをブラインドで嗅ぎ、それを言い当てるというもの。それを2セット。
どんなものがあるのかと言えば、
・きゅうり
これは見事にスイカと勘違い。(但し、甘くないスイカ、と答えたので、そんなに遠くないよね、と自分の中では正解にしている)
・クルミ
多くのメキシコ人が言い当てて、日本人の私はローストナッツと勘違いしたのがこれ。クルミの香り、もう一度頭に入れておかないと、メキシコ人と共通言語で会話できないわ。
他には、
・バニラ
・ハニー
・チョコレート
・土とか草
などがある。
ちなみに、誰も答えられなかったサンプルに、
・ゴム
というのがありました。
言われて再度嗅いでみると、非常に納得。
「はいはい、ゴムだね」
ということになる。
ちなみにこのキット、6万円出して買う価値があるかどうかはわからないけれど、メキシコ人と日本人の嗅覚体験の違いなども発見できたし、面白かった。
それから、甘い香りは感じやすいけど、そうでない香りは嗅ぎ分けにくいということもわかった。
日本に帰ったら、一度、似たような嗅覚のセミナーを開催するのも、良いかもしれない。
そのときまでに、メキシコのいろいろな香り(たとえば、オルチャータという米を原料にした飲み物に入っているシナモンの香り)を嗅いで、香りの辞書を増やしていこう。
アロマキットによるトレーニングのあとは、カッピング。こちらも多いに盛り上がった。私以外、皆、カッピングは初めてだと言うが、くず豆を焙煎した「苦味しかない」悪しき豆は、皆が顔をしかめていた。
そういえば、秀でるフレイバーはないけれど、非常に精度の高いクリーンカップのコーヒーというのがあるけれど、これはカッピングを重ねないと恐らく評価しにくい。
でも、悪い豆は初心者でもわかる。
明日はマラゴジッペなどの系統の違う豆、それからロブスタ種などをカッピングするようだ。
メキシカーノたちの反応が楽しみでならない。そして皆、夢中になってカッピングをしている姿が、なんだか嬉しい。
言葉はよくわからないけれど、コーヒーを通したコミュニケーションに、国境や国籍はない、改めて、そう感じる時間だった。
だって、みんな、私が
「正解:くるみ」
のスペルがわからなくって辞書をひいていると、
隣から、手を伸ばしてスペルを書いてくれる。
さらに、彼らにとって使い慣れない英語で一生懸命教えてくれようとしてくれる。
そして帰り際、満面の笑顔で
「また明日ね」
と言ってくれる。
メキシコに来て良かった。
そんなふうに感じるのは、私の場合、人と人との関わりでしかないかもしれない。そして、留守を守ってくれる仲間たちに甘え、 コーヒーという共通パスポートで、これからもどこへでも行ける気がする。