4日間セミナーを受講したというだけで、特別なことはしていない。だけど、同じ場所に通って、同じ人たちと4日間顔を合わせることで、終わったときには何とも言えない親しみだったり、愛着がわく。
それは、情に脆い日本人が一方的に感じていることだと思っていたら、他の参加者も同じだったみたいで、最後には、皆でFacebook(メキシコでは「Face(フェイス)」と呼ぶらしい)やWhat's up(という馴染のないアプリ)を伝えあい、見えない糸をぎゅっとつなげた。
明るくて、親切で、笑顔のあふれる彼らと共にすごした4日間は、かけがえのない時間だった。
今も、早くも思い出になってしまった時間をぎゅっと抱きしめている。
コーヒーに関して言っても、日本で同じプログラム(3時間×4日)を受けたら恐らく10万円はくだらないのではないかという内容だった。(メキシコでは2000円ちょっと)
1日目
・コーヒーの起源
・コーヒーの品種
・チアパスコーヒーの特徴(オーガニック)
・コーヒーの精製工程
2日目
・香りについてのレクチャー
・<Le Nez du Cafe ルネデュカフェ>を使ったトレーニング
・カッピングについてのレクチャー
・カッピング実践(4サンプル)
3日目
・抽出器具の説明
・カッピング実践(4サンプル×2ラウンド)
最終日
・コーヒーの苗の観察と説明
・コーヒーの苗の観察と説明
・全体的なコーヒーのレクチャー
・脱穀~焙煎レクチャー
・抽出実践(サイフォン、マキネッタ、メリタ)
・上記飲み比べ
・カッピング実践(4サンプル)
何よりも、4日間、レクチャーの講師をつとめたVictorさんの幅広い経験が、参加者の好奇心を刺激した。Victorとの出会いは、とても幸運だった。
彼は、栽培に詳しい、品種に詳しい、世界のコーヒー事情に通じている、カッピングができる、ローストもできる、抽出もできる。なにより熱心でコーヒーへの情熱が高い。
コーヒーとの関わりという意味では、マヤビニック組合には、彼のようなコーヒーマンはいない。どうやって彼はコーヒーの楽しさに気づいたのだろうか。彼が農業技術者であって生産者ではないからだろうか。
メキシコ人にとってのコーヒー。
生産国の中にあるコーヒー。
生産者にとってのコーヒー。
それらをもっともっと探りたくって、私はこの週末、タパチュラへ行くつもりだ。チアパス州の本当の南端。グアテマラとの国境の町周辺も、コーヒーの町として知られている。コーヒーとの関わりがあるところには、すべて足を運び、それらをマヤビニックの組合に少しでも還元できればと思っている。
来週はまたサンクリストバルでの生活に戻る。組合に足を運んで、まず、私は何を彼らにお話しようかな・・・。
参加者のみんなと集合写真 Qグレーダーのエプロンを着ているのがVictor
「サイフォンはこのガラスのまま飲むわけではないんだね」と言って笑っているところ