>>『日本のスーパーマーケットで「フェアトレードコーヒー」が売れるわけがない!って話』
だそうで、私としても驚いているところです。
これを書いたのは2015年ですが、2019年の今、再度、この問いに答えたいと思います。
フェアトレードコーヒーがスーパーマーケットで売れるわけがない?
結論から言うと、
「知名度があれば売れます」
事実、長野県一帯にあるスーパーツルヤさんでは、あの丸山珈琲さんのコーヒーが購入でき、大人気だそうです。
フェアトレードであろうが、スペシャルティコーヒーであろうが、売れるものは売れる。
それは「丸山珈琲」さんという知名度。さらには、知名度に裏打ちされる「品質」が前提になります(←一番大事)。
下記のブログレビューにあるとおりなのです。
私は九州に住んでいるので、スーパーでこんなにうまいコーヒーが100g399円(税抜)この値段で買えるなんて、ものすごくうらやましい。 長野いいなあ。この鮮度で、この味で、この品質のコーヒーをスーパーが売っている、ありえないです。「ツルヤすげえ!!」長野に行く機会があったらツルヤで絶対買うわ! コーヒーマニアが「これはお買い得ですよ!」と断言します。豆を挽いた粉タイプもあるので、コーヒーを飲まれる方はツルヤさんでぜひ手にしてくださいね。 |
もともと、フェアトレードコーヒーがいわゆるスーパーマーケットのような生活に密着した場所で売れるのか?
という問いが生まれたのは、2015年8月1日に、静岡県浜松市で開催された「フェアトレードの市民セミナー」のアンケートを、主催者の方が送ってくださったことがきっかけになっています。
貴重な回答の中から、私にとって、突き刺さるコメントが2件ありました。その内のひとつがズバリ!!
なぜ日本でフェアトレードの購入が広がらないのか。そのためにはどうすれば良いのか?
いや~、これほどシンプルで、重要な問いはありませんよね。
でも実際、フェアトレードを通してコーヒー豆を流通している私も、本当の意味で、この核心を突き詰めたことがあっただろうか。
・・・反省します。これほど重要な問いはありませんね。
「フェアトレードの市民セミナー」の講師をつとめたアジア経済研究所の佐藤先生は、国別の年間のフェアトレード商品の消費額について、
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だと紹介されていました。
・・・こうやって数字だけ見るとかなりインパクトがありませんか??
一方で「まあ、そんなもんだろうな」と思うところも、正直あったりします。
というのは、私自身も、「フェアトレードだから」という視点で、消費選択をしていないことに気付いたのです。
AとB、同質のものがあって、片方がフェアトレード商品であれば、迷わずそちらを選ぶのですが、あえてフェアトレードという理由で、買い物をしているわけでもありません。
佐藤先生のお話しによると、イギリスのメジャースーパー(紹介されたのは「セインズベリー」)は、
コーヒー売り場の半分が「フェアトレードコーヒーコーナー」
となると、
「手にしたものがたまたまフェアトレードだった」
のパターンも結構ありそうですよね。
つまり、単純にフェアトレード先進国ではフェアトレード商品が多く、物量が多いのです。
国内に、もっとフェアトレード商品を取り入れようとしているわけで、フェアトレード商品を購入するバイヤーが多いのです。
ということは、やっぱり、それを求める人がいるのでしょう。
ん?どっちが先なんだ?
(A) |
なのか。
どちらにしても、フェアトレード商品が循環する社会ってやっぱり大切だなって思います。
というのも、先日、こんな記事を見つけました。
バナナは鮮度も関わるし、個人や小規模での輸入販売も難しいし。たとえ、フェアトレードやるにしても体力必要な分野だよね: 比のバナナ農園労働者が支援訴え 住友商事系がミンダナオで経営:社会:中日新聞(CHUNICHI Web) https://t.co/p7Gptq7pT5
— Seiko SUGIYAMA@豆乃木☕️フェアトレードコーヒー (@japafricanism) June 19, 2019
▼Twitter見られない人は下記御覧ください▼
住友商事(東京)系の「スミフル・フィリピン」がミンダナオ島で経営するバナナ農園で働いていたフィリピン人の男女2人が18日、東京都内で記者会見し、現地の過酷な労働環境について説明し「労働者を支援してほしい」と訴えた。ストライキに加わった労働者が襲撃されるなど深刻な被害を受けており、今回の来日で住友商事に面会を求めたが、「現地で係争中」として断られたという。 |
海外に限った話ではないのでしょうが、そういうバナナを知らず知らずに食べていたくないな、と思います。
・彼らが苦しい思いをして作ったバナナ 150円
・フェアトレードバナナ 300円
が店頭にあったら、やっぱりフェアトレードのバナナを選びたくないですか??いや、それでも家族がたくさんいて、生活に余裕がない、という場合も、当然ありますよね。
さて、話は元に戻します。
実際、スーパーマーケットでは、フェアトレードのコーヒーは一般的なコーヒーに比べて200円~300円くらい値が張ります。
スーパーマーケットで、マイルドブレンドとイタリアンローストの差額が、例えば50円くらいだとしたら、50円余分に払ってでも、イタリアンローストにする、という人はいるけれど、200円~300円余分に払って、「敢えてフェアトレードコーヒーにする」という人は、日本にはあまりいないでしょう。だからこその「年間購入額16円」なわけで。
でもフェアトレードとは言わないけれど、丸山珈琲のコーヒーは、スーパーマーケットでも「爆売れ」なのです。これは調べてみますと、どうやら、ツルヤさんというスーパーマーケット自体が質の面でも信頼されていることが言えますね。いわゆる「格安が売りのスーパーマーケット」ではありませんね。
私は、バナナ農園の報道も踏まえて、こういう社会をイメージしました。
「200円~300円しか」違わないのであれば、フェアトレードの物を選ぶよ!
でも、これだけ長い間、賃金が上がるどころか、下がっている日本社会の中で、200~300円の差ってとても大きいですよ。ねえ!
さらに、私たちは、自分の求めている風味、価格、コンセプトから、商品をシビアに選択します。その中で選んだものが、たまたま「フェアトレード」のものだった、という具合が、私たち日本人の感覚には合っていて、フェアトレードを普及させようと思ったら、一番しっくりくる。
だとすると、たまたま手に取れるちょっと素敵な売り場場所に、おいしいフェアトレード商品を置く、という努力をするしかないのですよね。
一緒にプロモーションしてくださる「ちょっと素敵な売り場」も大募集ですよ!!!笑