残す準備は、メインビジュアルとなる画像(←重要!)と、クラウドファンディングをお披露目するページの微調整となりました。
メインビジュアルですが、今回は、私が担当しています。私自身でイラストを描いています。
こんな感じで・・・
クラウドファンディングのメインビジュアル、結局今日も牛の歩みですが🐄、こんな時間になってしまったので、寝ます😪🕒
— Seiko SUGIYAMA@クラウドファンディング挑戦します‼️☕️🇲🇽 (@japafricanism) July 17, 2019
いよいよ明日から色塗り✍️🎨
メキシコに溢れる色と色を一杯の至極のブレンドコーヒーのように、組み合わせていく作業も楽しそう👍
これが完成したら、本当に嬉しい😊😆 pic.twitter.com/z4VRs1N4yg
募集期間は7月最終週~9月第1週までとなる予定です。改めて、日程が確定しましたら、お知らせいたします。
さて、『豆乃木、この夏クラウドファンディングやりますVol.4』では、生産者との埋まらぬ溝に気づいた前回からの続きを綴ります。
まずは、Vol.1からさかのぼってご覧いただければ嬉しいです。
>> 「豆乃木、この夏クラウドファンディングやります!Vol.1」
>> 「豆乃木、この夏クラウドファンディングやります!Vol.2」
>> 「豆乃木、この夏クラウドファンディングやります!Vol.3」
生産者との「埋まらぬ溝」
ルイスは、マヤの先住民で組織される組合の中で、唯一の非先住民でありながら、1999年の組合創設以来、組合のサポーターとして組合運営に関わっています。
当時から、スペイン語を話せない私にとって、唯一、英語でコミュニケーションがとれるルイスが、心の支えでした。そのため、すべてのやり取りは、ルイスを介しておこなわれていました。
気づかぬようにしていましたが、「スペイン語が話せない」という理由で、他の組合役員との交流を意図的に避けてきました。そして、それは次第に、先住民の人たちへの理解の欠乏による苦手意識に変わっていきました。
「このままではダメだ。時間がかかってもいい。10年、20年をかけて、彼らにとって、真に信頼できるパートナーになろう」
サビ病で変わり果ててしまったコーヒー畑を眺めながら、私はそう誓ったのです。
翌々年の2016年。
いつものように産地を訪れると、ルイスはこう言いました。
「今回、僕は同行できないけれど、マヤビニックのみんなと一緒に、彼らの(生産現場でもある)コミュニティへ行っておいでよ。きっとおもしろい体験になると思うよ。」
ルイスに「放牧」された私は、腹をくくって、マヤビニックの組合員が運転する車に乗せてもらい、彼らのコミュニティへと向かいました。
車内、誰かが、私に向かって言った、
「風が強いね」
というスペイン語が、ほとんど唯一、私が聴き取ることができた言葉でした。
そのあとは、彼らの母語であるツォツィル語をBGMに、私は車窓にひろがる「いつもの産地の景色」を眺めていました。
「来てくれてありがとう」
最後まで「言語」によるコミュニケーションには事欠きましたが、それでもルイスのいない2日間、マヤ系先住民である彼らと同じものを食べて、彼らの暮らす村々を回ることで、私と彼らとの距離は縮まったかのように思いました。
「最後にみんなで写真を撮ろう」
と私が身振り手振りで声を掛けると、皆が応じてくれました。当時の組合長のマリアノさんが、親指を立てて、ポーズを決める。ただそれだけのことが、とても嬉しかったのを思い出します。
滞在の最終日に、ルイスを含めて、組合の事務所で2日間の滞在について振り返る時間がありました。
そのとき、彼らの口から、
「私たちのコミュニティに足を運んでくれてありがとう。おかげで、どういう人が、自分たちのコーヒーを買ってくれているのかが、組合員である農家にもわかってもらえて、本当に良かった。
私たちが日本へ行くのは難しいけれど、日本の皆さんにもお礼を伝えて欲しい。Gracias(ありがとう)!」
彼らの言葉に、涙があふれました。
フェアトレードとは何か
2019年10月で、豆乃木を創業して丸8年になります。
2017年8月末に、創業以来、念願であった自社名義でのコーヒーの直輸入を果たしました。
皆さんに、従来のコーヒーの輸入と、豆乃木のフェアトレードによる輸入について、説明をいたします。
(1)従来のフロー
(2)豆乃木がおこなうフェアトレード
(1)は、従来の物流です。この場合、たくさんの仲介業者が入ることで、生産者へ渡る利益が少なくなってしまうと指摘されます。それはどういうことかと言えば、1杯のコーヒーの値段を仮に500円としましょう。その500円を、当然、金額の大小あれど、ここに関わっているすべての人で、分配しなければならないからです。
それだけではありません。たくさんの人が介在することで、生産者がどのようにコーヒーを育てているか、栽培するために、どのように工夫しているのか、どのように生活をしているのか、という生産者の姿が、どんどん見えなくなってしまうのです。
「作っている人の顔が見える」の効果
よく私はこんな話をします。
例えば、あなたの隣の家のAさんがコーヒーを育てていたとしましょう。Aさんは早起きをして、コーヒー農園に入ります。農園はきれいに手入れされています。農薬を一切使わずに、コーヒーを育てるのは、とても大変だと言っていました。
ある日、Aさんは、大切に育てたコーヒー豆をもって、あなたの家を訪ねてきました。
「ようやくコーヒーが収穫できたから、これを100g 500円で買わないか」
とあなたに尋ねます。
Aさんが早起きして、コーヒー農園ですごす時間を、窓からいつも見ていたあなたは、こう言うかもしれません。
「ありがとう。今年もおいしいコーヒーができたかい?100g 500円と言わずもっと払わせてよ。」
と。
でも、それが遠くの国の、見ず知らずの生産者さんが作ったものだとなった途端に、
「1円でも安く!」
「いくらまけてくれるの?」
という発想になってしまうことはありませんか。
見ず知らずの他人、ましてどこかの国の人に対して、誠実であることがなかなか難しいのが現実なのです。
フェアトレードというだけではない、何か
現在、マヤビニックコーヒーは、北は北海道から南は沖縄まで、心あるロースターさんに「選ばれるコーヒー」となりました。創業当時は、「フェアトレードであるという正義」を振りかざして販売していた時期もありましたが、長年コーヒー業を営む方々が、口ぐちに教えてくれたのです。
「他にも良い豆はいっぱいあるけれど、なぜかマヤビニックはたくさんのお客さんに突き刺さる、深く愛される不思議な豆だ。フェアトレードというだけではない、それ以上の何かがある。」
産地を訪ねたときに感じた、足がつつみ込まれるような土の感触。つよい太陽の日ざしを遮る大きなバナナの葉。その下で熟した赤いコーヒーの実が、厚みのある生産者の手によって、ひとつひとつ摘み取られる瞬間を見れば、たしかにそれは不思議なことではないような気がします。
単に、カッピングのスコアや標高、品種、焙煎方法でしか、コーヒーを見られないのは、実はとても勿体ないないと思うのです。
「おいしいコーヒーの背景(コーヒー産地や生産者)に思いを馳せることができる」
これが、私が皆さんとシェアしたい「価値(楽しみ)」なのです。
今回、私はクラウドファンディングを利用して、「コーヒーを愛する皆さんと、コーヒー豆をグループ購入」することで、1杯のコーヒーがもっと特別なものとなり、「フェアトレードコーヒー」を実感していただけるよう、クラウドファンディングの中で実現したいと思い、挑戦することを決意しました。
「豆乃木、この夏クラウドファンディングやります!Vol.5」(近日公開予定)へつづく